「プロの料理家」によるメニュー開発法とは?

料理家とは、料理を研究するプロフェッショナルです。美味しい料理であることはもちろん、クライアントのニーズにしっかり答えながらも独自性の高いメニューやレシピを生み出すことが仕事です。プロの料理家にレシピ開発を依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
今回は、クライアントのニーズに沿った「プロの料理家によるメニュー開発法」をご紹介します。

1.クライアントが本当に依頼したいことを把握

メニュー開発に取り組む前に、まずはクライアントにヒアリングを行います。

開発したいメニューのイメージを具体的に言葉にして共有するものは難しいものです。クライアントは、自社の対象商品のプロですが、食卓で魅力的で実践しやすい料理活用を考えるプロではないからです。ですからプロの料理家は、クライアントの対象商品の知識や要望を最大限に引き出して、自分の知識や経験と組み合わせるコミュニケーション能力が不可欠なのです。つまり「メニューを考える前からメニュー開発は始まっている」のです。

まずプロの料理家に大切なことは、仕事の経験、日常の調理経験、料理情報収集といった「会話の引き出しの豊富さ」です。プロの料理家は、クライアントに対して、その豊富な引出しを上手に「例え話」にしたり、「料理写真」を見せたりして、メニューのニーズを明確にしていきます。

またクライアントの要望を踏まえた、類似トレンドメニューや別カテゴリーのトレンドなどを提示し、クライアントのニーズを広げることも、重要な役割です。

続いてはレシピの使用用途を明確にすること。
例えば”ヨーグルト”ひとつとっても媒体や用途によって提案するメニューの特徴が変わってきます。

  • webコンテンツ用
    ヨーグルトだけでなく季節やトレンドの食材などを多く活用することでインスタ映えと共に検索流入を意識したメニューを開発。
  • 店頭掲示用
    店頭試食販売なども考慮し、調理家電を使わなくてもヨーグルトとできるだけ少ない材料で簡単に作れる新しい食べ方メニューを開発。
  • 飲食店向けメニュー
    他店舗展開の飲食店であれば、オペレーションがシンプルでヨーグルトと相性が良い、売りになるトレンドを加えたメニューを開発。

など多岐にわたります。
このように媒体の特性、用途に合わせたメニューやレシピを考える必要があります。

2.ターゲットを細かく絞る

メニューの方向性が決まったら作り手をイメージします。

作り手に「作ってみたい」「食べてみたい」と思ってもらわなければ、レシピを読んでもらうことができないからです。作り手もさまざま。一例ですが下記のような作り手が考えられます。

  • 仕事が忙しくパパッと食事を済ませたい男性
  • 美意識が高く、スタイルが気になる女性
  • 食べ盛りの子供を持つお母さん
  • ホームパーティーが好きな方
  • アスリートの方

例えば、家庭料理の定番「唐揚げ」。多忙な方に「下味をつける時間」「油の処理」が必要なレシピを提案しても興味を持ってもらえることは容易ではありません。

時間がない方へアプローチする場合、「下味不要で揉むだけ」「油はたった大さじ2でOK」「時短でプロの味」など手間を省いた美味しいレシピの方が心に響くはずです。

このように同じ料理を作る場合であってもターゲットによって調理方法や食材を工夫する必要があります。クライアントが届けたいのはどんな人なのか、そしてその人はどんな生活をしているのか?というところまで掘り下げていくことが、生活者の心に響くメニュー開発につながります。

3.独自のテーマ設定!

クライアントの要望、ターゲット選定の次にターゲットに合わせ、簡潔かつ正確に「伝えたいこと(テーマ)」を決めます。例えば、サラダのメニューを「インスタ映え」を考慮して提案するとします。

インスタ映えの料理を作りたい方の心理を想像すると背景には、みんなに見せたいという意識がうかがえます。そこで誰でも作れる「簡単サラダ」というテーマより、通常、家庭では作れない「デパ地下のごちそう感のあるサラダメニュー」をテーマにすることで、作り手のハートを掴むことができます。

ここでのポイントは、3つです。

  • デパ地下のご馳走のような華やかさ
  • プロのようなおいしさ
  • 家庭で自分でも作れる驚き

このようにメニュー開発において独自のテーマを決めることも必要な工程。わかりやすく心に響くテーマ設定で、読者の興味関心を高めます。

4.試作を重ね、イメージ通りの料理を作り上げる

テーマが決まれば、メニューのアイデアを出し、試作を開始します。もしクライアントの販売促進をしたい食材や商品がある場合、その食材や商品の良さが前面に出るようなメニューをご提案します。

例えば、クライアントが開発された「これだけで味が決まる調味料」をメニューに使用するとします。

その場合、他の調味料は極力使わず、調味料の「簡単」「便利」がしっかり伝わるように工程の少ないシンプルレシピを作り上げます。

また試作段階でもターゲットの年齢層や性別を意識する必要があります。
例えば「子供と一緒に作ることができるクリスマスメニュー」というテーマであれば、子供がすすんでお手伝いしたくなる工程を入れたり、子どもの好む味付けや食材を用意したり、見た目もワクワクするようにしたりなど、試作の中でしっかり見極めることが大切です。

料理人は自分で料理を作り直接お客様に提供することがメインですが、料理家は再現性の高いレシピを公開し、ダーゲットに「作りたい」と思ってもらう必要があります。

以上を踏まえて弊社では「コミュニケーション力の高いプロの料理家」が、クライアントのイメージに合ったメニューや新しい発見のあるメニューをターゲット層に響く独自テーマを開発して、使用用途に合った形で提案します。

執筆/監修:Sunny and 管理栄養士 加藤奈美/北嶋佳奈

■まとめ
1.クライアントの要望の把握と新しい気づきを促す!

オリジナルのメニュー開発では、クライアントと丁寧なコミュニケーションをとることで、ご要望の共有と新しい気づきを促すことをサポートします。

2.大切なのは作る人をイメージする想像力!

メニュー開発において対象者の年齢、性別、生活スタイルなどを意識することも大切です。作り手を意識することで、クライアントのお客様に「満足感」と「親近感」を与え、ファン増加に繋げることをサポートします。

3.人の心をわしづかみにするテーマ設定!

プロの料理家だからできる相手を惹きつけるテーマを開発します。ターゲットの「興味」「関心」を刺激するキャッチーなテーマでクライアントの満足度の高いメニューをご提案します。

4.作りやすく美味しい料理を目指す!

クライアントの食材、食品、調理器具を使用する場合、その良さをしっかりアピールしたメニューをご提案します。調理工程もターゲットを意識し、再現性と持続可能なレシピを作成することにより、クライアントの売り上げ増加、ファンの拡大を目指します。

一般社団法人 健康オピニオン会議