料理研究家と上手にコラボレーションしよう!

料理研究家は、調理法や料理レシピについて研究・考案し、メディアを通じて一般人や調理のプロ、食品メーカーや農家の人たちなどに伝えていくことが主な仕事です。主な職場は、自分でキッチンスタジオを構えて個人事業主として独立することが多く、調理師のように日本料理店やホテル、レストランなどに勤務して働くことは少ないです。今回は料理のプロフェッショナルである料理研究家とのコラボレーションを円滑に行うためのヒントについてご紹介します。

1.料理研究家とは?

料理研究家は、料理について研究するスペシャリストです。
料理を作るスペシャリストである料理人と、料理について研究するスペシャリストである料理研究家は、レシピを作り上げた後の仕事のプロセスに大きな違いがあります。料理人の場合は、実際に料理を自分の手で作ってお客さんに食べてもらうことが目的です。一方で、料理研究家の場合はレシピ自体を公開して多くの人に作り方を教えるというところに重点を置いています。

●魅力的なレシピを開発するために
食材に関する豊富な知識や料理のスキルを駆使して、おいしさや見た目の美しさ、栄養価の高さなどを考慮して画期的なレシピの開発を目指します。そのために、様々な食材を組み合わせたり、調味料の配合を変えたり、火加減を調整したりしながら、何日もキッチンにこもって試作することも珍しくありません。また、料理を美しく盛り付けるセンスや、自分で創作した料理をPRする能力も求められます。

●料理研究家としてのテーマにこだわる
料理研究家自身が、料理研究家によってテーマを設けていることが多く、和食や洋食、エスニックといった一般的な料理の種類や「時短料理」「ダイエット用料理」「アスリート向け料理」などの独自のコンセプトで研究している人もいます。人気のある料理研究家は、『自分の得意分野と社会的ニーズを踏まえたテーマ設定』が上手な方が多いといえるでしょう。

●料理研究家としての情報発信力
レシピを多くの人に情報発信することも重要な仕事です。
特に最近はSNSやブログ、動画サイトを活用してレシピを公開したり、作り方を紹介したりしている人も多いようです。そうした上手な情報発信から仕事が広がり、テレビ、雑誌など様々なメディアでのメニュー掲載や出演、監修さらには料理本の出版等までつながることもあります。料理研究家はオリジナリティのある料理情報を広めることがビジネスチャンスにつながるので現在、人気のある料理研究家は『レシピ考案力』と共に『情報発信力』が高い方が多いといえるでしょう。

2.料理研究家のスキル向上に向けた資格とは?

料理研究家は、特に資格を習得する必要がなく誰でもなることが可能です。だからこそ他者との差別化を図る必要があります。ここでは、食や栄養知識の向上、調理スキルアップ、フードコーディネート力の向上など独立した料理研究家として活躍するために、取得した資格について紹介します。

料理研究家が取得している資格を知ることで、その得意分野やスキル、こだわりがわかり、料理研究家選定の参考にもなることでしょう。

●調理師
調理師免許を取得していれば、栄養学や食品衛生、調理理論、調理技術の全体像を体系的に学ぶことで、専門的な知識をもち、安全な料理が作れるプロとして、知識や経験を証明できます。また、調理師の養成施設では和食・洋食・中華・製菓・パンなど様々なジャンルの料理を幅広く学び、それらを作る技術を学習していきます。

料理研究家として、次々と新しいレシピを考案する際に調理師資格習得の際に学んだ様々なジャンルの料理の基本的な知識や食品と健康の関わり方、鍋や包丁の使い方、盛り付けの技術などは、きっと役立つことでしょう。

●管理栄養士
管理栄養士の資格を取得する過程では、「食事療法論」や「栄養生理学」などを学びます。そうして学んだことが健康的なレシピを考案するのに役立ちます。例えば「美容によいレシピ」を考えるためには、それぞれの食物の特徴や栄養素の働きを知る必要がありますし、「ダイエットレシピ」を考えるためにはカロリー計算の方法も知らなくてはなりません。

このように管理栄養士で学んだ知識は、レシピ考案の幅と信頼性を高めることでしょう。また、管理栄養士の専門分野である疾病者の栄養指導の経験を活かした特定の疾病者向けのレシピ考案も強みを活かしたものといえるでしょう。

●フードコーディネーター
料理研究家と似たような職業に「フードコーディネーター」があります。どちらも食に関わる職業で、レシピの考案に携わったり、メディアでレシピを紹介したりというところは共通しています。
料理研究家とフードコーディネーターの違いとして、料理研究家は新しいメニューを考案して、情報発信するのが主な仕事なのに対し、フードコーディネーターは食器選びや盛り付け方などを含む料理の見せ方や売り出し方、空間コーディネートなど、ビジネス的な側面に重きを置いた仕事を中心としています。

つまり料理研究家が、フードコーディネーターを取得することで、魅力的なレシピの考案から見せ方、ビジネス的な打ち出しまで一気通貫して携わることができるのが強みと言えるでしょう。

3.料理研究家とのコラボレーションの場

企業プロモーションにおいて、独自性のあるレシピを考案する料理研究家と効果的にコラボレーションする場についてご紹介します。

①フードクリエイターとして料理研究家とコラボレーション!

●『独自性』と『再現性』を両立したレシピ開発
料理研究家として、多くの人に支持されるためには、レシピの味はもちろん、見た目の美しさや栄養バランス、作りやすさなども考慮する必要があり、分量や切り方、調理法、調味料、火加減、調理器具や盛りつけ方などにこだわって『独自性』の高いレシピを開発します。もちろん一般の方向けのレシピは『再現性』も不可欠。クライアントの商品やメディア特性を踏まえてレシピを考案する依頼案件から独自のテーマでレシピを考案する自主案件まで、誰が何回作っても同じ味になるように計算されたレシピであることが強みと言えるでしょう。

●料理を中心に写るもの全てでおいしさを演出する料理写真撮影
多くのレシピ制作のお仕事では、レシピの料理写真を一緒に納品します。その料理写真撮影業務において、料理研究家に調理だけでなくスタイリングにも関わってもらうことで、食材や料理に応じたお皿、その他フードスタイリング備品との彩りバランスやテーブル全体の雰囲気の演出などにも力を発揮してくれる方もいます。つまり料理研究家は、料理を作るだけでなく、料理を中心に写真に写っているもの全てで、その美味しさを伝えられるように演出するメニューディレクターの役割を果たしてくれる場合があるのです。

●『わかりやすい』×『おいしくそう』を実現するレシピ動画撮影
昨今、SNSやWEBにて数多く制作されているレシピ動画。そのレシピ動画撮影業務において、料理研究家に調理だけでなくスタイリングや演出にも関わってもらうことで、テーブル全体の雰囲気が良くなると共にカメラワークを工夫してわかりやすい工程でおいしそうに見せることに力を発揮してくれる方もいます。つまり料理研究家は料理を作るだけでなく、料理を中心にその作り方と美味しさを伝えられるように演出するレシピ動画ディレクターの役割を果たしてくれる場合があるのです。

②リアル接点で料理研究家とコラボレーション!

●おいしくて、作りたくなるようなレシピを伝える料理教室
料理研究家の中には、料理教室をメインに活動している方も多くいます。料理教室ではおいしさ、見た目の美しさ、作りやすさなどを考慮したレシピを実際の生活の課題解決につながる形で伝えることで家庭での再現をサポートできます。

●料理研究家の対話能力とターゲットに合わせた料理知識でセミナー講演
料理に関するセミナーで、講演していただくことでプロモーションに役立てることができます。料理研究家の得意分野と聴講する人のニーズを考慮して、乳幼児や女性、中高年、アスリート、シニアの料理課題やアイディアなどをテーマに設定することが大切です。料理研究家の得意分野と顧客ニーズがマッチしていれば、料理教室を通じて培ったコミュニケーション能力を活かして、正しい情報を相手に合わせて分かりやすく伝えたり、質疑応答などにも対応することができ、有意義なセミナーが期待できます。

●料理研究家の知識とキャラクターを活かしたメディア出演
マスメディアや専門メディアでの取材を受けたり、コメントするPR業務があります。専門家としての食や料理の知識と本人のキャラクターによって、様々な方に興味がある形で情報発信がすることで、特定層の世論形成をサポートするニュースのようなプロモーション効果が期待できます。

③料理プロデューサーとして料理研究家とコラボレーション!

●料理研究家としての独自メソッドを活用して企業プロモーションをサポート
独自の調理法などを持つ料理研究家とコラボレーションして、商品やサービスのプロモーションに活用することで、独自性を高めることができます。また、独自の調理法メソッドに関心が高い料理研究家のフォロワー向けにプロモーションを行うことで、新規のファン獲得をサポートできます。

●料理コンテンツをトータルプロデュース
料理にまつわる企業プロモーション全体のプランニングの一員として料理研究家を起用することで、おいしい料理や時短、アレンジ法など料理全般に関心の高い顧客層の課題や不安を把握できます。そして顧客層のニーズに合った料理課題解決に役立つコンテンツを制作できます。

■まとめ
1.料理研究家の『独自テーマ』をプロモーションに活かす!

料理研究家は、他者との差別化や自分の強みやこだわりを活かすために『独自テーマ』を持って研究している方が数多くいます。商品やサービスの強みや特徴と親和性がある場合は、料理研究家の独自テーマで商品やサービスのプロモーション展開をするのも効果的です。

2.『調理課題解決』を料理に落とし込む料理研究家の技術をプロモーションに活かす!

料理研究家は、レシピを公開することで幅広い方に調理していただく事が重要です。そのためおいしそうであるのはもちろん、誰でも同じ味で作ることができる『再現性』と共に家庭で調理する際の困り事を拾って、その『課題解決』につながるアイディアをレシピ化することが多くあります。
そこで『課題解決』をテーマにすることで、家庭での実践を手軽に促すプロモーションに繋がります。

3.料理研究家の知識や経験を料理情報コンテンツにしてプロモーションに活かす!

料理研究家は、依頼案件や自主案件ーテーマに対して、様々な食材を組み合わせたり、調味料の配合を変えたり、火加減を調整したりしながら、何日もキッチンにこもって試作することも珍しくありません。そうして経験から生まれたレシピはもちろん、調理法や盛り付け、調理の課題解決のアイディアなどを総動員することで、『主婦が実践したくなる料理情報コンテンツ』にすることで、効果的なプロモーションに活用できるのです。

一般社団法人 健康オピニオン会議